
同じ物件は別の不動産屋でも契約できる|仕組みと安い会社の見つけ方
結論:できます。 同じ賃貸物件を、別の不動産会社で契約することは問題ありません。
「A社で内見した物件が、B社のサイトにも掲載されていた」という経験はありませんか。これは偶然ではなく、日本の賃貸業界の仕組み上、ほとんどの物件は複数の不動産会社が紹介・契約できる状態になっています。この仕組みを活かした賃貸の相見積もりを使えば、初期費用を大きく削減できます。
なぜ同じ物件が複数の不動産屋で扱われるのか
レインズの仕組み:「誰が・何を・どうする」
**REINS(レインズ)**とは、国土交通省の指定を受けた公益財団法人が運営する不動産情報ネットワークです。全国の不動産会社が加盟しており、物件情報をリアルタイムで共有できます。
| 誰が | 何を | どうする |
|---|---|---|
| オーナー(大家) | 賃貸物件 | 管理会社や元付け業者に預ける |
| 元付け業者 | 物件情報 | レインズへ登録する |
| 全国の不動産会社 | レインズの情報 | 閲覧して入居希望者に紹介する |
| 入居希望者 | 好みの物件 | どの不動産会社からでも申込める |
この仕組みのため、A社が管理している物件でも、B社・C社が「うちでも紹介できます」と案内できるのです。
レインズに登録されない物件もある
ただし、以下のケースでは他社から紹介できない場合があります。
- オーナーが「特定の会社1社だけに任せたい(専属専任媒介)」と指定した場合
- 大手管理会社が自社サイトのみで募集している物件
一般的な賃貸物件であれば、SUUMOやHOMES、athomeで他社掲載を検索するか、「〇〇(物件名)を紹介してほしい」と別の会社に問い合わせることで確認できます。
同じ物件でも会社によって費用が変わる理由
物件自体(家賃・敷金・礼金)はどの会社で契約しても変わりません。変わるのは、不動産会社が設定できる費用項目だけです。
仲介手数料の差(最大で家賃1ヶ月分超)
仲介手数料は宅建業法第46条で「家賃1ヶ月分+消費税」が上限です。上限いっぱいに請求する会社もあれば、0.5ヶ月分や無料の会社もあります。
家賃8万円の物件での比較例
| 会社 | 仲介手数料 | A社との差額 |
|---|---|---|
| A社 | 88,000円(上限) | 基準 |
| B社 | 44,000円(0.5ヶ月) | −44,000円 |
| C社 | 0円(無料) | −88,000円 |
仲介手数料だけで最大88,000円の差が生まれます。
任意オプション費用の差(3〜5万円)
室内消毒・24時間サポート・害虫駆除などのオプションは任意です。会社によって「標準で含む」「断れる」「そもそも設定していない」と対応が異なります。
| オプション | 相場 | 断れるか |
|---|---|---|
| 室内消毒代 | 約16,500円 | 断れることが多い |
| 24時間緊急サポート | 約16,500円 | 断れることが多い |
| 害虫駆除パック | 約11,000円 | 断れることが多い |
これらを断れるかどうかで、3〜5万円の差になります。断れるオプションの全一覧は賃貸の初期費用(見積書)で外せるオプション一覧をご覧ください。
変わらない費用(敷金・礼金・家賃)
敷金・礼金・家賃はオーナーが設定するため、どの会社で契約しても同額です。「敷金なしにしたい」という交渉はオーナーへの交渉になり、不動産会社が変わっても変えられません。
別の不動産屋への乗り換え方・断り方
申込前なら乗り換えはいつでもOK
内見をした会社とは別の会社で契約することは、申込前であれば問題ありません。内見は申込ではなく、契約を約束したわけではないからです。
「A社で内見して、B社に見積もりをもらってB社で契約する」というのは正当な消費者行動です。
元の会社への断り連絡例文
別の会社で契約を決めた場合、対応してもらったA社には一言連絡を入れましょう。長文は不要です。
メール例文(コピペOK)
〇〇(担当者名)様
先日はご対応いただきありがとうございました。 検討の結果、今回は別の会社での契約を決めました。 丁寧にご案内いただきありがとうございました。
電話の場合
「先日〇〇の物件をご案内いただいた〇〇です。今回は別の会社でお願いすることにしました。お世話になりました。」
理由を詳しく説明する必要はありません。「別の会社にした」の一言で十分です。
「抜き行為」とは何か(消費者は気にしなくてよい)
「抜き行為」とは、他の不動産会社が案内している物件を、別の会社が横から紹介して契約を奪うことを指します。これは業者間のルール違反とされています。
ただし、消費者が自分の意思で別の会社に問い合わせることは抜き行為ではなく、正当な行動です。この点を混同して「乗り換えは悪いことだ」と思う必要はありません。
安い・対応が良い会社の見つけ方
費用面のチェックポイント
- 仲介手数料は何ヶ月分か(0.5ヶ月以下の会社を探す)
- オプションは断れるか確認する
- 見積書を最初から明細付きで出してくれるか
- 「事務手数料」など別名目の費用が含まれていないか
対応面のチェックポイント
- 問い合わせへの返信が早いか(24時間以内が目安)
- 質問に対して丁寧に回答してくれるか
- 「急かしてくる」「今日決めないと」という圧力をかけてこないか
対応の質が悪い会社は、入居後のサポートも期待できません。費用だけでなく、やり取りの質も判断基準にしましょう。
よくある質問
Q1. 別の不動産屋に行ったことがバレますか?
バレる可能性はゼロではありません。不動産会社同士のネットワークで情報が伝わることがあります。ただし、それを理由に不当な扱いを受けることはまずなく、気にしすぎる必要はありません。
Q2. 内見した会社以外で契約するのは失礼ですか?
申込前であれば失礼ではありません。ただし、内見の担当者が丁寧に対応してくれた場合は、断りの連絡を入れるのがマナーです。
Q3. 紹介してもらえない物件もありますか?
オーナーや管理会社が「特定の1社だけに任せたい」と指定した物件は、他社では紹介できない場合があります。その場合は元付け業者のみで契約することになります。
Q4. どのサイトで他社掲載を調べればいいですか?
SUUMOやHOMESなど複数の不動産ポータルで物件名や住所を検索すると、他社掲載を確認できます。掲載がなくても「取り扱い可能か」を問い合わせることは可能です。
Q5. 同じ物件を複数社に依頼したら、会社同士でトラブルになりませんか?
消費者が自分で複数社に問い合わせる行動は正当です。不動産会社間のルール(抜き行為の禁止)は業者間の問題であり、消費者が心配することではありません。
まとめ
同じ賃貸物件は、レインズの仕組みにより複数の不動産会社が紹介・契約できます。会社ごとに仲介手数料やオプション費用が異なるため、複数社に見積もりを依頼するだけで初期費用を大きく抑えられる可能性があります。
- 内見後・申込前であれば別の会社への問い合わせは問題なし
- 仲介手数料(最大1ヶ月分超)とオプション費用(3〜5万円)を重点的に比較する。見積もり比較で見るべき7項目も参考にしてください
- 乗り換えの断り連絡は一言で十分
「どこの会社に頼むか」は、消費者が自由に選べる権利です。気に入った物件が見つかったら、まず複数社に見積もりを依頼してみましょう。具体的な手順は相見積もりのやり方5ステップをご覧ください。
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