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賃貸の仲介手数料 完全ガイド|相場・上限・安くする全方法
仲介手数料

賃貸の仲介手数料 完全ガイド|相場・上限・安くする全方法

約16分で読めます

仲介手数料は賃貸の初期費用の中で、消費者が最も節約しやすい費用項目です。法律で上限は決まっていますが、下限はなく、会社によって0〜1.1ヶ月分と大きな差があります。

この記事では、仲介手数料の定義・法律の上限・相場・会社別の違い・安くする方法まで、賃貸を探すうえで知っておくべきすべての情報を網羅しています。


仲介手数料とは何か

定義:誰が誰に払うお金か

仲介手数料とは、賃貸物件を紹介・仲介してくれた不動産会社(仲介業者)に支払う報酬です。物件のオーナー(大家)への支払いではありません。

賃貸の契約では、多くの場合「借主(入居者)」「貸主(オーナー)」「仲介業者(不動産会社)」の3者が関わります。仲介業者は次のサービスを提供します。

  • 物件情報の提供・案内
  • 内見の手配・同行
  • 重要事項説明(宅地建物取引士による)
  • 賃貸借契約書の作成・取り交わし
  • 入居までの手続きサポート

これらの対価として支払うのが仲介手数料です。

仲介手数料と混同されやすい費用

仲介手数料以外にも、賃貸契約時にはさまざまな費用が発生します。混同しやすい費用との違いを整理します。

費用名誰に払うか性格返金
仲介手数料仲介業者成功報酬(サービス対価)基本的に返金なし
敷金オーナー預かり金(退去時に精算)原状回復費用を除き返金
礼金オーナー慣行的なお礼金返金なし
保証会社利用料保証会社家賃保証の保険料返金なし
前家賃・日割り家賃オーナー家賃の前払い退去時に残分を調整する場合あり
火災保険料保険会社保険料(2年分が多い)中途解約で日割り返金の場合あり

敷金・礼金はオーナーへの支払いであり、仲介業者は関与しません。礼金ゼロの物件でも仲介手数料は発生するため、混同しないよう注意が必要です。

仲介手数料が発生するタイミング

仲介手数料は**賃貸借契約の成立時(契約書署名・重要事項説明後)**に発生します。内見しただけ、申込みをしただけでは発生しません。

ただし、申込みを無断でキャンセルした場合にキャンセル料を請求されるケースもあるため、申込み前に規約を確認しておきましょう。


法律上の上限(宅建業法第46条)の詳細

原則と例外

仲介手数料は宅地建物取引業法(宅建業法)第46条および国土交通省告示により上限が定められています。

原則のルール(宅建業法第46条)

「賃貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計は、当該賃貸借に係る借賃の一月分の一・〇八倍(消費税等相当額を加算した額)に相当する金額以内」

つまり、借主と貸主の双方から合計で家賃1ヶ月分+消費税が上限です。

原則では「借主・貸主から各0.5ヶ月分ずつ」が基本です。しかし同条には例外規定があります。

例外規定(実態に影響する重要なポイント)

「依頼者の承諾を得ている場合においては、依頼者の一方から賃借の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内」

つまり、借主(入居者)の承諾がある場合は借主から1ヶ月分まで請求できます。実態上、見積書に仲介手数料1ヶ月分が記載されている時点で「承諾」とみなされるケースがほとんどのため、多くの会社が借主から1ヶ月分を請求しています。

上限・原則・実態の整理

項目内容
法律上の上限借主+貸主の合計で家賃1ヶ月分+消費税
原則(承諾なし)借主・貸主それぞれから0.5ヶ月分ずつ
例外(借主の承諾あり)借主から最大1ヶ月分+消費税
実態多くの会社が借主から1ヶ月分+消費税を請求
下限定めなし(0円でも合法)

「消費税」について

仲介手数料には消費税(10%)が加算されます。家賃1ヶ月分が上限と言われますが、正確には「家賃1ヶ月分+消費税(10%)」、つまり家賃の1.1倍が上限です。


相場はいくら?会社別比較

市場での分布

実際の市場では、仲介手数料は次のような分布になっています。

会社の種別仲介手数料の目安特徴
大手チェーン(エイブル・アパマン・センチュリー21等)1ヶ月分+税(標準)広い物件ネットワーク・安定サービス
ネット系不動産(イエイエ・ietty等)0〜0.5ヶ月分来店不要・オンライン完結型
仲介手数料割引専門店0〜0.5ヶ月分手数料の安さを売りにしている
管理会社直営・セルフ内見型0〜0.5ヶ月分自社管理物件のみ取扱い
オーナー直接契約0円の場合あり物件数が限られる

「高い会社が良いサービスを提供する」という相関はありません。安い会社でも丁寧な対応をするところは多くあります。

「高い=良い」は本当か

仲介手数料と担当者のサービス品質の相関は低いです。仲介手数料1ヶ月分を取る会社でも対応が雑なケース、0.5ヶ月分の会社でも丁寧に案内してくれるケースは日常的にあります。

費用設定はビジネスモデルの違いであり、消費者は費用の安さとサービス内容の両方を確認したうえで会社を選ぶことが重要です。


消費税込みの計算例:家賃別早見表

仲介手数料の実際の金額を家賃別に整理します。

1ヶ月分(上限満額)の場合

家賃仲介手数料(税抜1ヶ月)消費税(10%)合計(税込)
5万円50,000円5,000円55,000円
6万円60,000円6,000円66,000円
7万円70,000円7,000円77,000円
8万円80,000円8,000円88,000円
9万円90,000円9,000円99,000円
10万円100,000円10,000円110,000円
12万円120,000円12,000円132,000円
15万円150,000円15,000円165,000円

0.5ヶ月分(半額)の場合

家賃仲介手数料(0.5ヶ月)消費税(10%)合計(税込)
5万円25,000円2,500円27,500円
6万円30,000円3,000円33,000円
7万円35,000円3,500円38,500円
8万円40,000円4,000円44,000円
9万円45,000円4,500円49,500円
10万円50,000円5,000円55,000円
12万円60,000円6,000円66,000円
15万円75,000円7,500円82,500円

会社選択で変わる差額(家賃8万円の場合)

仲介手数料パターン金額1ヶ月分との差額
1ヶ月分(上限)88,000円
0.5ヶ月分44,000円-44,000円
0円(無料)0円-88,000円

家賃8万円の物件では、会社の選択だけで最大88,000円の差が生まれます。


安くする・交渉する方法4選

方法1:相見積もりで比較して最安の会社を選ぶ(最も確実)

同じ物件または同エリアで、2〜3社に見積もりを依頼して仲介手数料と初期費用の合計を比較する方法です。

なぜ最も確実か

  • 交渉不要で確実に最安を選べる
  • 仲介手数料だけでなく事務手数料・オプション費用も含めた合計で比較できる
  • 物件の選択肢も広がる

進め方

  1. SUUMOやHOMESで気になる物件を見つける
  2. 同じ物件を扱っている別の不動産会社を検索する
  3. 複数社に問い合わせて初期費用の見積書を依頼する
  4. 合計額が最安の会社で契約する

詳しい方法は相見積もりのやり方完全ガイドをご覧ください。

方法2:交渉する(条件が整えば有効)

担当者に「仲介手数料を下げてもらえますか」と直接交渉する方法です。

  • 成功しやすい条件:閑散期(5〜8月)・入居意思を示す・他社の安い見積もりを根拠にする
  • 断られることも多い(特に繁忙期・人気物件・大手チェーン)
  • 現実的な値引き幅:1ヶ月分→0.5ヶ月分が最大。0円になるケースは稀

詳しくは仲介手数料の交渉方法をご覧ください。

方法3:仲介手数料無料・割引の会社を選ぶ

仲介手数料が最初から安い(または無料の)会社に問い合わせる方法です。

  • AD(広告料)を活用している会社:オーナーから広告料をもらうことで借主から手数料を取らない
  • 管理会社直営:自社物件のため仲介コストを削減できる
  • ネット系不動産:人件費・店舗コストを削減したビジネスモデル

からくりと注意点については仲介手数料無料のからくりをご覧ください。

方法4:AD(広告料)が多い物件を狙う

入居者が決まりにくい物件では、オーナーが「AD(広告料)」を多めに設定して仲介会社に支払うことがあります。AD金額が高い物件では、仲介会社が借主からの手数料を減らしても収益が確保できるため、値引き交渉に応じてもらいやすくなります。

ただし、「AD多め=入居者に何か問題がある」ケースもあります。物件の条件(立地・設備・管理状態)を確認したうえで検討しましょう。


仲介手数料と混同されやすい費用の詳細

敷金との違い

項目仲介手数料敷金
誰に払うか仲介業者オーナー
目的仲介サービスの対価退去時の原状回復費用の担保
返金なし原状回復費用を除き返金
相場0〜1.1ヶ月分0〜2ヶ月分

礼金との違い

項目仲介手数料礼金
誰に払うか仲介業者オーナー
目的仲介サービスの対価慣行的な謝礼
返金なしなし
交渉余地仲介業者次第オーナー次第(難しいことが多い)

保証会社利用料との違い

保証会社利用料は、「家賃保証会社」への支払いです。保証人の代わりに、万一家賃が払えなくなった際に立て替えてくれる保険のようなものです。

  • 初回:家賃の0.5〜1ヶ月分程度
  • 更新時:1〜2万円程度(年間)
  • 仲介手数料とは別費用で、ほとんどの物件で必須

会社選びで変わる初期費用の全体像

初期費用は仲介手数料だけではありません。会社・物件の選択によって変わる費用と、変わらない費用を把握しておきましょう。

会社によって変わりやすい費用

費用項目変動幅節約のポイント
仲介手数料0〜1.1ヶ月分会社選択・交渉で変わる
事務手数料0〜1ヶ月分相見積もりで比較
鍵交換費用10,000〜50,000円相場は15,000〜20,000円
室内消毒・害虫駆除0〜33,000円任意オプションなら断れる
24時間サポート0〜22,000円任意なら不要の場合も

会社が変わっても基本的に変わらない費用

費用項目相場備考
敷金0〜2ヶ月分物件・オーナー次第
礼金0〜2ヶ月分物件・オーナー次第
前家賃・日割り1〜2ヶ月分入居日で変動
保証会社利用料0.5〜1ヶ月分ほぼ必須
火災保険料15,000〜20,000円2年分が多い

家賃8万円の物件での初期費用シミュレーション(敷1礼1の場合)

費用項目通常(仲介1ヶ月)節約後(仲介無料)
仲介手数料88,000円0円
敷金80,000円80,000円
礼金80,000円80,000円
前家賃80,000円80,000円
保証会社利用料40,000円40,000円
火災保険18,000円18,000円
合計386,000円298,000円

会社の選択だけで初期費用が**88,000円(約23%)**変わることがわかります。


物件タイプ別・仲介手数料の傾向

同じエリア・家賃帯でも物件のタイプによって仲介手数料の交渉余地が異なります。

物件タイプ別の傾向

物件タイプ手数料の傾向交渉余地
新築・築1〜3年1ヶ月分が標準少ない(競争率が高い)
築10年以上・リノベなし0.5〜1ヶ月分中程度
築20年以上・設備古め0.5ヶ月〜無料もあり大きい(AD多め)
人気エリア(駅徒歩5分以内)1ヶ月分が標準少ない
郊外・駅遠物件0.5ヶ月〜無料もあり大きい
大家さん管理(自主管理)0〜0.5ヶ月分が多い大きい
管理会社一括管理0.5〜1ヶ月分物件次第

シーズン別・仲介手数料交渉の成功率

時期交渉成功率相見積もりの効果
1〜3月(繁忙期)低い有効(安い会社に即乗り換え)
4月(端境期)中程度有効
5〜8月(閑散期)高い非常に有効
9〜11月中〜高い有効
12月(年末)中程度有効

初めて賃貸を借りる人が知っておくべき仲介手数料の落とし穴

落とし穴1:「仲介手数料無料」でも初期費用が高い

仲介手数料が0円でも、事務手数料・鍵交換・消毒代などのオプションで合計費用が高くなるケースがあります。見積書をもらったら必ず合計額で他社と比較しましょう。

落とし穴2:申込み後に交渉しようとしても手遅れ

仲介手数料の交渉は申込み前が唯一有効なタイミングです。「申込みを入れてから値下げ交渉しよう」と考えていると、すでに交渉力がなくなっています。見積書を受け取ったタイミングで即座に動くことが重要です。

落とし穴3:仲介手数料と管理費を混同する

毎月支払う「管理費」「共益費」は、仲介手数料とは別の費用です。仲介手数料は契約時の一度きりですが、管理費は毎月発生します。初期費用だけでなく、月々のコストも比較しておきましょう。

落とし穴4:「ゼロゼロ物件」と「仲介手数料無料」は別物

「敷金・礼金がゼロ(ゼロゼロ物件)」と「仲介手数料無料」は別の概念です。ゼロゼロ物件でも仲介手数料は1ヶ月分かかることがあります。また、ゼロゼロ物件は退去時の費用が高くなるケースもあります。

落とし穴5:大手ポータルに載っていない安い物件がある

SUUMO・HOMESなどの大手ポータルに掲載されていない物件(非公開物件・AD付き物件)を地域密着の会社が保有していることがあります。ポータル検索だけでなく、希望エリアの地場の不動産会社にも問い合わせると、好条件の物件が見つかることがあります。


仲介手数料に関するよくある質問

Q1. 仲介手数料はいつ支払いますか?

一般的に契約時(重要事項説明・契約書署名後)に支払います。申込み段階では不要です。支払い方法は現金・振込・クレジットカード(対応している会社のみ)から選べることがあります。

Q2. 仲介手数料に領収書は発行されますか?

発行されます。「領収書をいただけますか」と依頼すれば対応してもらえます。事業用途の場合は経費計上にも使えます。

Q3. 仲介手数料を分割払いにできますか?

対応している会社もありますが、手数料がかかることが多いです。初めから安い会社を選ぶ方が効率的です。クレジットカード払いができる会社であれば、カードの分割払いを利用する方法もあります。

Q4. 仲介手数料の領収書は確定申告で使えますか?

居住用賃貸の仲介手数料は原則として経費計上できません。ただし事業用途の物件(オフィス・店舗)の場合は経費になります。在宅ワーク用の居住スペースの一部を事業用として計上するケースもありますが、税理士への確認をお勧めします。

Q5. 内見だけして契約しなかった場合、仲介手数料はかかりますか?

かかりません。仲介手数料は賃貸借契約の成立を条件とした成功報酬です。内見のみでは発生しません。

Q6. 仲介手数料無料の会社は信頼できますか?

費用設定と信頼性は別の問題です。無料の理由がAD(オーナー側からの広告料)であれば、サービス内容は通常の仲介と同等です。口コミやサービス内容を確認してから選びましょう。

Q7. 同じ物件でも仲介会社によって仲介手数料が違うのはなぜですか?

各仲介会社が独自に料金設定をしているためです。法律で上限は決まっていますが、いくら請求するかは業者の裁量です。同じ物件を複数の仲介会社が取り扱っているケースは多く、会社によって0〜1.1ヶ月分と差が出ます。

Q8. 仲介手数料の上限額を超えた請求をされた場合はどうすればいいですか?

宅建業法違反になります。まず見積書を確認し、「仲介手数料が家賃1ヶ月分+消費税を超えている理由を教えてください」と確認しましょう。説明が納得できなければ、都道府県の宅建業担当窓口(公益財団法人不動産適正取引推進機構等)に相談できます。


まとめ:仲介手数料は「選んで節約できる費用」

仲介手数料は法律で上限(1.1ヶ月分)は決まっていますが、下限はありません。同じ物件でも会社によって0〜1.1ヶ月分と大きな差があります。

仲介手数料の基本まとめ

  • 上限:家賃1ヶ月分+消費税(1.1ヶ月分)
  • 原則:借主・貸主それぞれ0.5ヶ月分ずつ
  • 実態:多くの会社が借主から1ヶ月分を請求
  • 下限:なし(0円でも合法)

安くする4つの方法

  1. 相見積もりで比較(最も確実・交渉不要)
  2. 仲介手数料無料・割引の会社を選ぶ(AD活用で実現)
  3. 交渉する(閑散期・他社見積もりを根拠に)
  4. AD多めの物件を狙う(値引き余地が大きい)

家賃8万円の物件であれば会社の選択だけで最大88,000円節約できます。仲介手数料は「言われた金額を払う」のではなく、「選んで節約できる費用」です。

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