
賃貸の消毒代は必要?ハウスクリーニングとの違い・断り方・判断基準を解説
賃貸の初期費用見積書に「室内消毒代」「抗菌施工費」「消毒・除菌施工」などの名目で1〜2万円が含まれていることがあります。
結論:消毒代は任意のオプションで、断ることができます。
この記事では、消毒代の内容・ハウスクリーニングとの違い・相場・断り方の手順と例文・断ったら契約できなくなるかを解説します。
消毒代とは何のための費用か
消毒代は、入居前に業者が室内を消毒・抗菌処理するサービスの費用です。新型コロナウイルス感染症の流行以降、多くの不動産会社で取り扱われるようになりました。
実際に行われる主な内容は以下のとおりです。
- 室内に消毒液(次亜塩素酸系など)を噴霧する
- 抗菌コーティング剤を床・壁に塗布する
- 換気扇や排水口などに除菌処理を行う
ハウスクリーニングとの違い
消毒代は、よく混同される「ハウスクリーニング」とは別のサービスです。
| 項目 | ハウスクリーニング | 室内消毒 |
|---|---|---|
| 実施タイミング | 前の入居者の退去後 | 新しい入居者の入居前 |
| 内容 | 清掃全般(水回り・床・窓など) | 消毒・抗菌処理のみ |
| 費用負担 | 基本的にオーナー(または前入居者) | 見積書では入居者に請求 |
| 必要性 | 衛生維持に必要 | 任意(省略可能) |
ハウスクリーニングは衛生維持のために必要なものですが、消毒代はその追加オプションです。ハウスクリーニングが実施されていれば、消毒を省略しても衛生面で大きな問題はありません。
消毒代の相場と実際に行われる内容
費用の目安
| 名称の例 | 費用の目安 |
|---|---|
| 室内消毒代 | 11,000〜22,000円 |
| 抗菌施工費 | 8,000〜20,000円 |
| 消毒・除菌オプション | 5,000〜15,000円 |
一般的な相場は**11,000〜22,000円(税込)**です。20,000円を超える場合は「何の施工が含まれているか」を詳しく確認しましょう。
| 金額 | 判断 |
|---|---|
| 5,000〜15,000円 | 概ね相場内 |
| 15,000〜20,000円 | やや高め |
| 20,000円超 | 高め。内容の確認が必要 |
実際の施工内容
業者によって内容は異なりますが、多くの場合は作業時間30分〜1時間程度の噴霧・塗布作業です。使用する薬剤・施工面積・作業内容を確認せずに費用を払うと、内容に見合わない金額を支払うことになります。
消毒代は任意オプション:法的根拠
国土交通省のガイドライン
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居時の消毒・抗菌施工は賃貸借契約の必須条件ではなく、消費者が自由に選択できるオプションサービスと位置づけています。
消費者庁の見解
消費者庁も、消毒サービスへの加入を強制することは問題があると示しています。任意サービスであるにもかかわらず「必須です」と説明して加入させることは、景品表示法上の問題になりえます。
通常のハウスクリーニングとの関係
退去時にはハウスクリーニングが行われることがほとんどです。入居前の消毒は追加的なサービスであり、省略しても衛生面で大きな問題はありません。
断れるか?断れないか?見分け方
賃貸借契約書を確認する
最も確実な方法は、賃貸借契約書を確認することです。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 賃貸借契約書に加入が明記されている | 外しにくい(オーナーの条件) |
| 重要事項説明書のみに記載 | 任意の可能性が高い |
| 見積書のみに記載 | 任意である可能性が非常に高い |
担当者に確認する
「この消毒代は任意ですか、必須ですか?」と直接聞くのが最も確実です。
「必須です」と言われた場合は、「賃貸借契約書のどこに記載がありますか?」と確認しましょう。
断ったら契約できなくなるか?
基本的には契約できなくなりません。
任意オプションを断ることを理由に、入居申込みを断ることは適切ではありません。
ただし、以下のケースでは状況が変わります。
- 賃貸借契約書に加入が入居条件として明記されている場合: オーナーが入居条件として指定しているため、断ると入居できない可能性があります。
- 管理会社がパッケージとして処理している場合: 変更自体ができない設定になっている物件も存在します。
いずれの場合も、「契約書のどこに記載がありますか?」と確認することで状況を把握できます。もし「必須」と言われても契約書に記載がない場合は、任意であることを伝えた上で交渉の余地があります。
断り方の手順と例文
申込前に断る(最も効果的なタイミング)
見積書を受け取った後、申込む前が最もスムーズに断れるタイミングです。
メールの場合(コピペOK)
○○(担当者名)様
先日ご提示いただいた見積書を確認しました。 室内消毒代は今回は加入しません。外した金額で再見積もりをお送りいただけますでしょうか。 よろしくお願いいたします。
口頭の場合(コピペOK)
「見積書の室内消毒代ですが、今回は不要です。外していただけますか?」
見積書確認時に断る(申込後の場合)
申込後でも審査が完了する前であれば、変更を依頼できることがあります。
メールの場合
○○(担当者名)様
申込み後で恐縮ですが、見積書を改めて確認したところ、室内消毒代は今回は外させていただきたいと思っています。 変更は可能でしょうか?よろしくお願いいたします。
「外せません」と言われた場合
「消毒への加入は賃貸借契約書の条件として記載されていますか?確認させていただいてもよいでしょうか。」
契約書への記載がなければ、任意サービスである可能性が高いことを伝えて交渉できます。
消毒が本当に必要なケース・不要なケースの判断基準
基本的に不要なケース
- 新築物件への入居(前入居者がいないため)
- 前の入居者が非喫煙者・ペット飼育なしだった
- 入居前のハウスクリーニングが既に実施されている
- 自分で市販の除菌スプレーで対処できる
検討の余地があるケース
- ペット可物件で前の入居者がペットを飼育していた(臭いが気になる場合)
- 喫煙可物件で前の入居者がヘビースモーカーだった可能性がある
- 築古物件で衛生面に特別な不安がある
ただし、これらのケースでも消毒が必須というわけではありません。気になる場合は、入居後に自分で市販の除菌スプレーや消臭剤を使用することで対処できます。
よくある質問
Q1. 消毒をしないと部屋は汚いですか?
通常、前の入居者の退去後にハウスクリーニングが行われています。消毒は追加的なオプションであり、省略しても衛生面で大きな問題はありません。気になる場合は自分で市販の除菌スプレーを使用することもできます。
Q2. 「感染症予防のために必要」と言われましたが本当ですか?
特定の感染症リスクがある状況でなければ、通常の入居前消毒は感染症予防として義務付けられていません。消費者庁も、消毒への強制加入は問題があるとしています。
Q3. 断ったら審査に影響しますか?
影響しません。入居審査は収入・職業・勤続年数などの属性で行われ、オプションの加入有無は審査に関係しません。
Q4. 消毒代と抗菌施工は同じものですか?
内容は業者によって異なりますが、どちらも「入居前に室内に消毒・抗菌処理を施す」サービスで、同種のオプションです。名称が違っても、任意オプションであることには変わりありません。
Q5. 新築でも消毒代を請求されることがありますか?
あります。ただし、新築物件の場合は前の入居者がいないため、消毒の必要性はほぼありません。新築の場合は特に「不要」と伝えて外すことをおすすめします。
Q6. 消毒代を断ったら入居を断られましたが、どうすればいいですか?
任意オプションを断ることを理由に入居を断ることは適切ではありません。「消毒代が必須である根拠を賃貸借契約書で確認させてほしい」と伝えましょう。それでも解決しない場合は、消費生活センターへの相談や、他の不動産会社への問い合わせを検討してください。
まとめ
消毒代(室内消毒・抗菌施工)は任意のオプションです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 法的根拠 | 国交省・消費者庁のガイドラインで任意と位置づけ |
| 見分け方 | 賃貸借契約書に記載があるかどうかで判断 |
| 断るタイミング | 申込前が最もスムーズ |
| 断り方 | 「今回は不要なので外してください」の一言でOK |
| 断ったら契約できなくなるか | 基本的にならない |
断り方は「今回は不要なので外してください」の一言で十分です。
初期費用の外せるオプション全体については賃貸の初期費用(見積書)で外せるオプション一覧もご覧ください。また24時間サポートの断り方・鍵交換費用の交渉方法・火災保険を自分で選ぶ方法もあわせて確認すると、初期費用をさらに削減できます。
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