
賃貸で不動産屋を乗り換える方法|契約前なら可能・手順とマナー
結論:賃貸の不動産屋は、契約締結前(署名捺印前)であればいつでも乗り換え可能で、違約金は発生しません。 「すでに物件を案内してもらった」「何度か来店した」だからといって、その不動産屋で契約する義務は生じません。本記事では、乗り換えできる境界線、同じ物件を別の会社で契約できるレインズの仕組み、乗り換え手順と断り方のマナーを解説します。
「今の不動産屋、どうも費用が高めだ」「別の会社のほうが条件が良さそう」——賃貸探しの途中で、不動産屋を乗り換えたくなることは珍しくありません。実際、東京都では賃貸申込の約6割がキャンセルされるというデータもあり、別の会社や物件へ乗り換えるのは日常的に起きています。
それでも「途中で変えるのは失礼では」「違約金を取られるのでは」と不安に思う方は多いでしょう。本記事では、特定の不動産会社に属さない中立な立場から、不動産屋の乗り換えについて、法律の前提を踏まえつつ解説します。
結論:契約前なら不動産屋は乗り換え可能・違約金なし
ポイント:契約成立前であれば、いつでも別の不動産屋へ乗り換えられます。
大前提として、契約書に署名・捺印する前であれば、不動産屋は自由に乗り換えられます。すでに物件を内見してもらった、何度か来店して相談した、見積もりを出してもらった、という状況でも、契約成立前であれば乗り換え可能です。
これは契約自由の原則(民法)により、契約は双方の合意があって成立するものであり、一方の会社が無理に契約を迫れないからです。申し込みや内見をお願いしただけでは、その会社との契約義務は生じません。
❌ 「内見までしてもらったから契約しないと」と思い込む → ⭕ 契約前なら乗り換え自由
ただし「どこまで進んだら契約成立とみなされるか」には注意点があるため、次の章で解説します。
乗り換えできる「境界線」はどこか
ポイント:境界線は「重要事項説明の前」。契約書署名捺印後は解約扱いになります。
乗り換えできるかどうかは、手続きがどこまで進んだかで決まります。
| タイミング | 乗り換え可否 | 費用 |
|---|---|---|
| 物件案内・内見後 | ○ 自由に可能 | なし |
| 見積もり後・申込後 | ○ 可能 | 申込金は返金 |
| 重要事項説明後・契約直前 | △ 要相談 | 事務手数料の可能性 |
| 契約書署名捺印後 | × 解約扱い | 1ヶ月分家賃等の差引き |
つまり、重要事項説明(契約の直前に行われる手続き)を受ける前であれば、いつでも乗り換え可能です。申込後のキャンセルについては賃貸の申し込みキャンセルで詳しく解説しています。
なお、一部の不動産会社は「申し込みイコール契約成立」と主張することがあります(諾成契約という法律論)。これを防ぐため、申込時に「キャンセル時の扱いはどうなりますか」と確認しておくと安心です。
同じ物件を別の不動産屋で契約できる仕組み
ポイント:レインズ(REINS)という物件情報の共有システムにより、同じ物件を複数社で扱えます。
「気に入った物件があるけれど、今の不動産屋を乗り換えたい」という場合、同じ物件を別の不動産屋で契約し直せるのかが気になります。答えは「イエス」です。
不動産業界には「レインズ(REINS:不動産流通機構)」という物件情報の共有システムがあり、登録された物件は複数の不動産会社が紹介できます。つまり、気に入った物件があれば、その物件を扱える別の不動産屋経由で契約し直すことが可能です。
この仕組みがあるからこそ、同じ物件でも不動産会社によって初期費用(仲介手数料・オプション・保証会社等)が変わり、乗り換えで費用を抑えられるのです。同じ物件を別会社で契約する詳しい仕組みは、同じ物件を別の会社で契約する方法をご覧ください。
不動産屋を乗り換える手順
ポイント:乗り換え先を相見積もりで選び、現在の会社に早めに断りを入れます。
不動産屋を乗り換える具体的な手順は次の通りです。
手順1:乗り換え先の不動産屋を相見積もりで選ぶ
まずは、同じ物件を扱える別の不動産屋を探し、相見積もりを取ります。仲介手数料・オプション費用・保証会社利用料を比較し、最も条件の良い会社を選びます。
手順2:現在の不動産屋に断りを入れる
乗り換え先が決まったら、現在の不動産屋に早めに断りの連絡を入れます。重要事項説明を受ける前であれば、申込金も全額返金されます。断り方の文面は不動産屋への断り方を参照してください。
手順3:乗り換え先で申し込む
現在の会社のキャンセルが済んだら、乗り換え先の会社で申し込みをします。物件情報(レインズ番号等)を伝えれば、スムーズに手続きが進みます。
❌ 現在の会社に無断で乗り換え先と二重契約しようとする → ⭕ 先に現在の会社をキャンセルしてから乗り換える
乗り換える際のマナー・断り方
ポイント:早めに・誠実に・感謝を添えて伝えるのがマナー。
乗り換える際は、現在の不動産屋への配慮が大切です。以下のマナーを守りましょう。
- 早めに伝える:担当者の準備の手間を減らす
- 理由はぼかす:「別の条件に決めた」「別の会社でお願いすることにした」で十分
- 感謝を添える:対応への感謝と、断ることへの謝罪
例文:
「○○様、これまでご対応いただきありがとうございます。誠に恐縮ですが、今回は別の不動産会社でお願いすることにいたしました。これまで丁寧にご案内いただいたのに申し訳ありません。機会がございましたらまたよろしくお願いいたします。」
なぜ乗り換える?相見積もりで条件の良い会社を見つける
ポイント:乗り換えの最大の理由は「相見積もりで条件の良い会社を見つけた」こと。費用を大幅に抑えられます。
ここまで乗り換えの手順をお伝えしましたが、そもそも「なぜ乗り換えるのか」を整理すると、費用削減の大きなチャンスに気づけます。
乗り換える理由の多くは、**「別の会社のほうが条件が良かった」**です。同じ物件でも仲介手数料・オプション費用・保証会社利用料が会社によって異なり、家賃8万円の物件なら会社によって初期費用が十数万円違うことも珍しくありません。
つまり、乗り換えは「不動産屋への失礼」ではなく、賢く費用を抑えるための正当な選択です。相見積もりを取れば、どの会社が最安かを客観的に比較できます。相見積もりの基本については相見積もりの解説をご覧ください。
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よくある質問
Q1. 内見してもらった不動産屋を乗り換えるのは失礼ですか?
失礼ではありません。内見は検討のためであり、その会社で契約する義務は生じません。ただし、担当者の労力に感謝を伝え、早めに断るのがマナーです。
Q2. 申し込み後でも不動産屋を乗り換えられますか?
契約書に署名・捺印する前であれば可能です。申込金(預かり金)も全額返金されます。詳しくは賃貸の申し込みキャンセルをご覧ください。
Q3. 同じ物件を別の不動産屋で契約できますか?
はい。レインズ(REINS)の仕組みにより、登録された物件は複数社が扱えます。気に入った物件があれば、別の会社経由で契約し直せます。
Q4. 契約後に不動産屋を変えることはできますか?
契約後の変更は「解約」扱いとなり、1ヶ月分の家賃等が差し引かれます。費用の無駄が大きいため、契約前に乗り換えるのが基本です。
Q5. 乗り換えると今の不動産屋に嫌われますか?
マナーさえ守れば嫌われません。不動産業界では乗り換えは日常的であり、プロの担当者はあっさり受け入れます。大事なのは早め・誠実に伝えることです。
Q6. 乗り換えるなら何社くらい比較すべきですか?
2〜3社に相見積もりを取るのが効率的です。多すぎると比較が煩雑になります。まずは相見積もりに応じる会社を2〜3社選びましょう。
まとめ
ポイント:契約前なら乗り換え自由。相見積もりで条件の良い会社を見つけるのが目的。
不動産屋の乗り換えについて、重要なポイントをおさらいします。
- 契約締結前(重要事項説明前)なら、いつでも乗り換え可能・違約金なし
- 申込金は契約不成立なら全額返金される
- レインズの仕組みで、同じ物件を別の会社で契約できる
- 乗り換え手順:相見積もりで乗り換え先選び → 現在の会社に断り → 乗り換え先で申込
- 乗り換えの最大の理由は「相見積もりで条件の良い会社を見つけた」こと
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同じ物件でも会社によって初期費用が十数万円違うことがあります。まずは現在の見積もりと照らし合わせて、本当により良い条件があるか確かめてみてください。
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